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特発性脊柱側弯症においてのカルシウムとビタミンD補充を用いた効果的な進行予防治療-無作為化二重盲検プラセボ対照研究

Bone Abstracts(2017)6 OC8 | DOI:10.1530 / boneabs.6.OC8

目的:思春期の特発性脊柱側弯症(AIS)は、骨量の低下と関連しています。この研究は、 AIS患者の骨強度を改善し、湾曲進行を予防する上でのCa + Vit-D補充の治療効果を研究します。

方法:この無作為化二重盲検プラセボ対照調査では大腿骨頚部BMDZスコアが0未満でコブ角≧15°のAISを持つ女性患者(11-14歳、タナーステージ
330名の患者を2年間の治療のためにグループ1(プラセボ)、グループ2(600mgカルシウム+ 400IUVit-D3 /日)とグループ3(600mgカルシウム+ 800IUVit-D3 /日)に無作為化しました。ベースラインおよび2年間の調査では:(1)遠位半径におけるHR-pQCTの有限要素解析(FEA)、(2)血清25(OH)Vit-D分析および(3)食餌カルシウム摂取が含まれました。SRSガイドラインに従って行われた最新のフォローアップ分析では、湾曲進行がコブ角≧6°と定義されています。P値<0.05は統計的に有意であると考えられました。 結果:270名(81.8%)の患者が試験を完了しました。 2年間で、フェア媒介変数がグループ1(治療群)で有意に大きいことが判明しました(表1)。 最新のフォローアップ分析(N = 132)では、グループ3が21.7%、グループ2が24.4%、グループ1が46.7%でした(P = 0.012、0.032)。 群内ロジスティック回帰分析を行ったところ、グループ3で破壊荷重によるFEAパラメータの増加および見掛けの弾性率が湾曲進行に対する有意な保護因子であることが判明しました(それぞれP = 0.043と0.034)。 ベースライン血清25(OH)Vit-D≦50 nmol / l(N = 103)の患者には、グループ3では16.2%に対してグループ1では48.6%進行が計られました(P = 0.003)。 25(OH)Vit-D> 50nmol / l(N = 29)の患者には、湾曲の進行に差は見られませんでした。 1000mg /日(N = 109)のカルシウム摂取量を基準とした場合、グループ3で19.0%に対しグループ1で54.3%(P = 0.001)でした。 カルシウム摂取> 1000mg /日(N = 23)の患者には、湾曲の進行に差は認められませんでした。

表1:グループ1,2と3の2年間での血清25(OH)Vit-Dレベルおよび有限要素解析(FEA)パラメータの平均変化値。

結論:この研究の結果は、カルシウム+ Vit-D補給がAIS患者が効果的に骨強度を改善し得るという強力な証拠です。 湾曲の進行を防止する治療効果は、FEAパラメータの上昇、低いベースライン25(OH)Vit-Dレベルおよび低いベースライン食餌カルシウム摂取量と相関します。

資金調達元 ファイザー社(IIRGrant:WI174540)。(ClinicalTrials.gov-Identifier:NCT01103115)。

開示:著者は相反する利益を宣言しませんでした。