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脊柱側弯症のための適切なエクササイズを選ぶには

入念に吟味され組み立てられたエクササイズプログラムをとおし、筋力・機能・耐久力を改善することが可能です

 私は数多くの患者さんの治療にあたっていますが、その中には脊柱側弯症(背骨がふつう以上に横に曲がっている状態)を患っている人たちがいます。脊柱側弯症の患者さんの背中を見ると、 背骨が片側に弯曲しているのがわかります。弯曲の角度はほとんど目立たない場合もあれば、その反対に非常にはっきりしている場合もあります。一般的に、弯曲の形はアルファベットのCまたはSに似ています。診察の結果脊柱側弯症が疑われる場合は、診断を確定するためにさらに検査(レントゲン撮影またはその他の画像診断法)を受けるよう医療専門家により指示されます。

脊柱側弯症の診断が下されると、患者さんはこの病気とそれに伴う症状とを最善の方法で管理するためのオプションを提示されます。一般的にこれらの症状には、筋肉組織および筋力の不均衡・呼吸困難・軽度から中等度の背中の痛みが含まれます。エクササイズは通常、治療オプションの1つとして含まれています。私の考えでは、運動をしてもよいと診断された脊柱側弯症の患者さんは、痛みや機能障害を悪化させないようなやり方で各自の機能レベルを改善し、筋力と耐久力とを増進することに最大の関心を向けるべきだと思います。また、筋力およびコンディショニングエクササイズは、日常生活と健康状態全般とを改善するのに役立ちますが、この病気の治癒を目的としているわけではないことを認識することが大切です。

私は脊柱側弯症の患者さんのために機能的なフィットネスプログラムを組み立てるにあたり、他のすべての患者さんに対するのと同じアプローチを用いています。異なるタイプの人間の動き―上半身が押す・引く、下半身の「レベル変化」、体幹の回転および移動(ある地点から別の地点へ動くこと)―に基づいてエクササイズを選びます。個々の筋肉を鍛えるボディビルディング型エクササイズ法ではなく、多くの筋肉を使い、それを日常生活の動作に似たかたちで動かすような運動を患者さんに提供します。雪かきをしたり、食料品の袋を運んだり、赤ちゃんをベビーシートに寝かしたりするときにあなたがどう動くか考えてみてください。そうすれば私がどんな動きについて語っているか、おわかりになるでしょう。

肝心なのは、身体活動は避けるべきではなく、周到かつ有意義な方法で計画されるべきだという点です。エクササイズと動きの中には避けるべきものもあれば、強調されるべきもの、また試行錯誤を経て「慎重に進める」べきものもあります。

「脊柱側弯症特定」エクササイズは、脊柱側弯症の弯曲を軽減もしくは安定させるために特別に考案された矯正運動です。このエクササイズは理学療法士やカイロプラクターなど、資格あるリハビリテーション専門家によって処方され、その指導のもとで行わなければなりません。フィットネストレーナーやヨガインストラクターには、これらの矯正エクササイズを指導する資格はありません。

運動をしてもよいと診断された脊柱側弯症の患者さんのためのエクササイズプログラムに対し、私が適用したいルールがいくつかあります:

・バーベルスクワットのように、おもりのついた棒を両肩にかついで背骨に荷重をかけるのを避ける。
・ヨガのポーズのように、うつ伏せになって上体を後ろに曲げる動きを避ける。
・ウエストを極端によじったり回転させたりするのを避ける。
脊柱側弯症の患者さんのためのプログラムに加えたい動きには以下のようなものがあります:
・背骨の柔軟性を維持するための全身バランス調整ストレッチ
・プランクのような体幹の安定強化をめざす動き
・身体の両側の筋力を均等にするための体軸調整エクササイズ

あなたご自身のエクササイズプログラムをカスタマイズし、50以上の脊柱側弯症特定エクササイズを学ぶには、拙著『自然療法による脊柱側弯症予防と治療法』またはDVD『脊柱側弯症改善と矯正エクササイズ』をご利用ください。