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脊椎側弯症のリハビリテーションにおいて、脊椎の安定に筋肉が果たす役割

脊椎側弯症のためのエクササイズには、脊椎の安定を助けるため、弱った筋肉を強化することに関して、異なる見解を持つ2つのグループがあります。1つのグループは、脊椎に直接つながっている、体幹深部の姿勢筋だけを活性化する必要があると考えています。一方、もう1つのグループは、深部の姿勢筋と、脊椎を上下肢につないでいる、もっと表面にある筋肉との両方を活性化することが大切であると考えています。

2004年、『Spine Journal』に「Determining the Stabilizing Role of Individual Torso Muscles During Rehabilitation Exercises (リハビリテーションエクササイズ中に、個々の体幹筋が安定に果たす役割を特定する)」という題名で発表された研究論文は、脊椎の深部および表面層にある異なる骨格筋がもたらした筋電図検査(EMG)の活動を比較・記録することにより、個々の腰部筋肉が脊椎の安定にどんな役割を果たし得るかを判断しようと、個々の腰部筋肉を研究対象としています。

その研究結果により、脊椎の安定は、脊椎周辺の1つの筋群だけに支配されているのではない、ということが明らかになりました。そうではなく、身体が行うタスクが、神経系によってコントロールされて身体の姿勢を変えるとき、脊椎周辺の筋肉すべてが、脊椎へのサポートの度合いにおいて劇的な変化をみせているようでした。

これらの研究結果に基づいて、著者たちは、脊椎の安定を促進するために脊椎周辺の筋肉の運動パターンを向上させる最善の方針は、深部の姿勢筋のいくつかだけに的を絞るよりも、その行動に関係する多数の筋肉を活性化することである、と結論を下しています。

これは、リハビリテーションにおいて、人工的に焦点を脊椎の1カ所だけに絞るより、「全身」アプローチをとることが重要である、とするシュロス法の長年の考え方を支持しています。

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